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セレック治療

今日セレック治療について、鹿児島県の方からメールでお問い合わせがありました。
患者様へのお返事を一部掲載します。
セレックについて興味がある方へ。


セレックによる治療についてですが、最初にセレックの説明をします。
この機械に関しては、患者様はもちろん、ほとんどの歯科医師も情報をもっておらず、未知のものかと思います。

単純に言ってしまえば、セラミック(陶器)の歯を作る機械(コンピューター)です。
従来のセラミックの歯は、技工師さんがセラミックの粉を積み上げていって、歯の形にして焼き上げます。何層にも焼いていき、形・色をしあげます。

セレックではセラミックのブロックを削て、歯の形にします。
足し算と引き算ですね。

まったく違う作り方をするため、どちらとも長所・短所があります。

セレック長所   製作時間が早い(削りだし約10分)
           歯のできにばらつきがない
           割れにくい(不純物や気泡が入らないため)
           同じものを何度でも作ることができる(割れた場合)
    
     短所   手盛りに比べ、細かい色調整が難しい。
           (セレックの上に手盛りすれば解決する)

セラミックの歯は大きく分けて、2種類あります。
金属の上にセラミックを盛り付けるメタルボンド(従来法)と、自然で美しく出来上がるオールセラミックです。 
セレックはオールセラミックを作る機械になります。

セラミック=ガラスですから、すごく強い力がかかると割れます。
これはすべてのセラミックの歯におこります。(メタルボンドも同じ)

当院がセレックを導入した理由を書きます。
私の母が4年前転倒し、前歯を3本折り、その後メタルボンドを作りました。
去年オールセラミックにしてあげようと思い、今流行のジルコニアオールセラミックにしました。ジルコニア用の機材をそろえ、母のために手作りで前歯を作りました。
その経験からあることにきずきました。ジルコニアは最新の割れない素材ですが、その上に盛り足すセラミックは従来のセラミックと強度が変わらないということです。せっかく高価なジルコニアで歯を作っても欠けてしまっては、意味がありません。そんな訳で割れないセレックを選択しました。(セレックでもジルコニアブロックを削ることはできますが)

セレックは削るブロックを変えることによって、数種類のオールセラミックを作れますが、単冠のみになります。(ブリッジや連冠は不可)
ブリッジや連冠(つながった歯)にはジルコニアフレームが必要になりますが、費用が高くなります。

前歯・奥歯の被せ物、インレー(詰め物)には大変適していると思います。
金属アレルギーの心配もなく、割れにくく、自然なできあがりになります。
by hana-dental | 2008-06-17 03:24
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